家を美しく、長持ちさせるためには外壁塗装が欠かせません。
しかし、多くの方がその費用に頭を悩ませることでしょう。
無理なく家のメンテナンスに取り組むためにも、費用については理解しておきたいところですよね。
今回は、坪数別の費用相場から塗料の種類によるコストの違い、さらには費用を抑えるコツまで、外壁塗装の費用に関する情報を詳しくご紹介します。
□外壁塗装の費用相場について
*外壁塗装の費用相場は坪数で決まる
外壁塗装の費用は、坪数によって大きく変動します。
坪数は、建物の各階の床面積を合計した延坪で計算されます。
以下の表は、坪数ごとの外壁塗装の目安となる費用相場です。
・10坪:約20~40万円
・20坪:約40~70万円
・30坪:約60~100万円
・40坪:約80~130万円
・50坪:約100~160万円
・60坪:約120~200万円
・70坪:約140~230万円
・100坪:約200~320万円
これらはあくまで基本的な費用相場であり、実際の価格は使用する塗料の種類や工事の難易度、施工会社によって異なります。
*塗装面積の計算方法
外壁塗装の費用を算出する際には、塗装面積の計算をする必要があります。
塗装面積は延床面積に係数をかけて計算され、係数の目安は1.1〜1.7ですが、一般的には1.2を使用します。
以下の計算式を参考にしてください。
「塗装面積(平方メートル)=延床面積(平方メートル)×係数(1.2)」
例えば、30坪の住宅の場合、塗装面積は約109〜168平方メートルとなります。
この計算により、坪数に応じた塗装面積を把握し、費用相場を推定できます。
*屋根塗装を含む場合の費用相場
外壁塗装と同時に屋根塗装を行う場合、追加の費用が必要です。
一般的には、外壁塗装の費用に屋根塗装代30〜40万円を加算します。
例えば、30坪の建物で外壁塗装を行う場合、屋根塗装を含めて約80〜125万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
また、外壁や屋根の工事では足場の設置費用も考慮する必要があります。
足場の設置費用は坪数により異なり、8〜30万円ほどかかることが一般的です。
□外壁塗装の費用の内訳をご紹介!
外壁塗装の費用を理解することは、適切な塗装会社選びやコスト管理において非常に重要です。
そのため、費用の内訳についても、最低限の理解を持っておくことが求められます。
この情報をもとに、外壁塗装の見積もりを検討する際は、各項目がどのように費用に反映されているのかをしっかりと把握しましょう。
1:材料費
外壁塗装に必要な材料費は、全体の約20%を占めるものです。
この部分には、塗料自体の費用だけでなく、養生シートや飛散防止ネットなどの塗装に必要な道具類が含まれます。
さらに、サイディングボードの張り替えが必要な場合は、その費用も材料費に含まれます。
外壁塗装に用いられる材料は多岐にわたり、これら全てが費用に反映されることを理解することが大切です。
2:足場代
足場代もまた、全体費用の約20%を占めます。
足場は安全かつ、効率的な塗装作業を行うために不可欠です。
安定した作業基盤を提供し、作業員の安全を確保するため、適切な足場の設置は極めて重要です。
3:人件費
外壁塗装の人件費は、全体の約30%を占める最も大きな割合です。
職人の経験やスキルによって費用が異なりますし、工事の期間が長ければそれだけ人件費も増加します。
ベテラン職人による迅速な作業は、結果的に人件費を抑えることにもつながります。
4:その他・運営費
残りの約30%は、その他・運営費として計上されます。
これには、塗装会社の移動費、事務手数料など、さまざまな雑費が含まれます。
これらは見えにくい費用ですが、外壁塗装全体のコストに大きく影響を与える要素です。
□塗料の種類によっても塗装の費用は変わる!
先ほどもご紹介した通り、塗装工事を行う際、材料費が占める割合は全体の約20%に上ります。
そして、この材料費は、使用する塗料の種類によって大きく異なります。
以下では、主要な塗料の種類とそれぞれの特徴、および費用について詳しく見ていきましょう。
1:アクリル塗料
アクリル塗料は、アクリル樹脂を主成分とし、軽量でありながらコストパフォーマンスに優れる点が魅力です。
1平方メートルあたりの費用は1,000~1,800円と比較的手頃であり、耐用年数は3~8年とされています。
しかし、耐用年数が短いため、頻繁なメンテナンスが必要になることもあります。
2:ウレタン塗料
密着性に優れるウレタン樹脂を主成分としたウレタン塗料は、柔軟性があり、複雑な形状の壁にも塗装しやすい魅力を持ちます。
1平方メートルあたりの費用は1,400~2,500円、耐用年数は5~10年となっており、昔から使用される信頼性の高い塗料です。
3:シリコン塗料
外壁塗装に多く使用されるシリコン塗料は、シリコン樹脂が主成分で、耐久性や耐水性に優れています。
水性1液型、溶剤1液型、溶剤2液型の3種類に分類され、特に溶剤2液型は高品質でありながら費用も高めです。
1平方メートルあたり1,800~3,500円、耐用年数は7~15年と長いため、長期的なコストパフォーマンスに優れています。
4:フッ素塗料
フッ素塗料は耐熱性や耐寒性、紫外線や酸性雨に強い性質を持ち、汚れが付きにくく、雨で落ちやすい特徴があります。
1平方メートルあたりの費用は3,000~5,000円、耐用年数は15~20年となっており、特に長期的な耐久性を求める場合に適しています。
□塗料以外に外壁塗装の費用に影響を与える要因
外壁塗装における費用は、塗料の選択以外にも様々な要素によって左右されます。
1:複数色を使用する場合の追加費用
外壁塗装で複数色を用いると、追加費用が発生することがあります。
その理由は、異なる色の塗料を用意する必要があるため、材料コストが増加するからです。
また、塗装作業の複雑さが増すことで、作業時間や手間も増え、労力と時間がかかるのも原因の一つです。
2:階数が多い建物の塗装費用
階数が多い建物では、塗装面積が広くなるため、塗装費用が高くなりがちです。
足場の設置には、高さや広さに合わせた作業が必要で、2階建てよりも3階建ての建物の方が、足場を組む高さが増すため費用が増加します。
さらに、塗装面積が増えることで、作業時間と人員の必要性も高まります。
塗装のための足場設置や上層階への材料運搬、作業員の安全確保などが追加のコストとなるのです。
3:特殊な建物構造の影響
特殊な建物構造の家では、塗装面積が広くなることが多く、それに伴い費用が増加することが一般的です。
例えば、狭小地に建っている住宅は、足場設置や塗装作業の効率が低下し、追加の作業時間と手間がかかります。
また、傾斜地に立っている住宅では、通常よりも多くの足場設置が必要となり、費用が増加することもあります。
他にも、狭い路地や一方通行でしか入れない住宅では、作業車が建物近くまでアクセスできないため、搬出入費が別途請求される可能性が高いです。
□費用を相場より安く抑えるコツ
ここまでご覧になってきて、外壁塗装の費用が高くなることが心配な方も多いでしょう。
そこで今回は、外壁塗装費用を相場より安く抑えるコツと注意点をご紹介します。
*施工時期を梅雨・冬にする
外壁塗装は天候に左右されます。
梅雨や冬は、外壁塗装に向いていない時期とされていますが、この時期は工事依頼が少なく、費用が安くなる傾向にあります。
しかし、天候による作業の中断や工期の延長などのリスクもあるため、この点を考慮して塗装時期を選ぶことが大切です。
*リフォーム助成金・補助金・火災保険を活用する
お住まいの自治体では、リフォーム助成金や補助金が提供されていることがあります。
これらを活用すると、費用を大きく削減できます。
また、台風や大雨などの自然災害による外壁の損傷を修復する工事の場合、火災保険が適用されることもあります。
保険適用の可能性について、保険証書の確認や施工会社に相談すると良いでしょう。
*地元密着・自社施工の塗装会社を選ぶ
大手リフォーム会社は、多くの下請けの会社に仕事を委託するため、中間マージンが発生し、費用が割高になることがあります。
対して、地元密着型の塗装会社や自社施工の会社は、中間マージンが発生しにくいため、比較的安価にサービスを提供している場合が多いです。
□まとめ
外壁塗装の費用を決定づける要素は多岐にわたります。
坪数による基本的な費用相場から、塗料の種類、さらには屋根塗装や足場の設置費用まで、様々な要因が外壁塗装の総費用に影響を及ぼします。
また、色の選択や建物の特殊な構造、階数の多さも費用に影響を与える重要な要素です。
これらの情報を踏まえ、外壁塗装を行う際には、適切な会社選びと費用の見積もりを慎重に行うことが大切です。